2007年7月16日 (月)

奏者とギターの蜜月

「クラシックギター」というと、どうも「アルハンブラ宮殿の思い出」や「禁じられた遊び」、はたまたクラシック音楽のイメージばかりがドデーんと頭に浮かんでしまう私だが、13日のリサイタルでは開眼させられた。(開耳?)

そういえば大萩康司さんのCDや、ブラジル人の若手ギタリストのCDも持っていたのもかかわらず、こんな調子。(苦笑)

松本のハーモニーホールで行われた、村治奏一さんのギターのリサイタルは、弟が作ったギターだという50%の手前味噌を抜かして客観的に聴いたとしても、120%の非常に素晴らしい演奏だった!!

リサイタルの会場には300人ほどの聴衆が集まっていた。実家にいたら、当日の夕方も何件も問い合わせが入り、地元の新聞が何度か取り上げてくださった効果もあったのか、心配していたチケットも丁度いい規模ではけていたようだった。(ホッとした!)

会場には村治さんのご両親や、ニューヨークでお世話になっている親子も駆けつけていた。

第一部、弟の作ったギターでの演奏だった。かなり変わった仕組みのギターだったのに、春に弟が上京した際にチラッと見せてもらったのに全然気がつかなかった。なんてアホな姉だろう。。。(爆)

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ギターのホールがずいぶん上にあり、おまけにその中央をフレットが通っている。

(写真は、ANAの「旅の王国」4月号…だったかな?)

これは、奏一さんの超絶技巧と、高音の鳴りのために、1年前から彼と弟でアイデアを出し合い、やっと3ヶ月前に出来上がったギターらしかった。

(私は音関係の専門用語がわからないのでご了承ください。)

奏一さんと、曲のために作られた、新しいギターによる初めての演奏会だったのだ。

後から奏一さんのMCでそれを知り、びっくりした。お互いの経験からこんなギターが生まれるのか。。。

とっても貴重な場面に運良く遭遇したようで、嬉しかった。

マイクも何もなく、椅子が中央にぽつんと置かれた舞台。非常にシンプルな中で、ギターと演奏者のみが音を作り出す。ピュアで、ある意味シビアな時間だ。

第一部の古典と南米の作品では、全く知らないギター音楽の作家たちの作品の演奏で、かなり長い曲もあった。

複雑な音階と、一人で弾いているとは思えない音のふくらみ、心をつかまれるような旋律が途中途中で現れる。クラシックギターの音楽ってこういうの????と、今までの言葉に寄るイメージの呪縛が破裂した感じ。

ギターもしょっぱなよりもだんだんと鳴りがよくなって音が大きく聴こえる気がした。

思えば…15年前、弟はスペイン語を勉強するためにメキシコへ1年留学し、サン・ミゲル・デ・アレンデ(アジェンデ)という街でクラシックギターに出会ったのだった。

私はその頃のことを思い出していた。

公務員試験があるから戻って来いという親に、「僕は、ギター職人になる」とメキシコから宣言して、戻ってこなかったのだ。私もその時期、何度もメキシコへ行く弟にくっついて、70日間ほど中米を旅したことがある。今でもメキシコは大好きだし、また住みたいと切望している。スペインの植民地だった様式美にあふれた小さな美しい街で、弟が居候したルシオというギター職人さんの家に遊びに行っていた。日本人のめったに居ないこの街で、楽器好きだった弟は、ルシオの経営する小さな楽器店が、言葉が通じなくても居られる憩いの場所だったのだ。店から少し離れた工房には、白い涼しげな外壁に緑の草花たちが垂れ下がり、工房前のテラスにはギタリストがギターを弾きに来ていた。ギター職人とギターとギタリストの、音楽を通じた幸せな関係に弟は憧れたのだった。

それが今、こうして花開いているのか。。。。ギタリスト&ギター。そして今回はオーディエンスのために。。。きっと亡き父も、おじいちゃんもおばあちゃんも…どこかで聴いていて、喜んでいるだろう。(笑)

会場でCDが5種類販売されていたが(ダンボールいっぱいあったものが、ほぼ完売)その中には第一部の楽曲のものは無さそうだった。私は、別のCDを買ったが、今後、このギターでCDが出される日を心待ちにしている。

2部は今までのCDにも収録されていて、一般的にもなじみのある曲が演奏された。(と言ってもアレンジがすごい!)

ギターは多分スペインの有名なものだろう。

ジャズ、フュージョン、ボサノバ、サンバ。。。クラシックギターで演奏する音楽が色々あるんだな~(@@)

あま~くてとろけそうな(真面目です)な音もあれば、切るような殺伐としたするどい音あり、お爺さんのようなモーっとした音もあれば小娘のようなぴちぴちした音もあり、一台の楽器から出てくる音の多様さと、それを引き出す奏一さんの腕前にはびっくりです。

かっちょええ~~~~♪

この長い文章で、感想を述べよといわれれば、その一言なんですけど。(笑)

演奏が終わり、アンコールの前に花束をステージの下から渡す事が出来た。

(甥っ子に持たせようかと思ったのだけど、本人が恥ずかしがったので。)

ギターを持っておられたので握手は出来ないし、主催者の花束などもあって、持つところに苦労しそうで、ちょっと申し訳なかったけれど。何も言葉が出て来なかったので、ただ顔を見つめていたのだが、彼も微笑みながら無言でがっちり受け取ってくれた。

アンコール1曲目はリブラ・ソナチネ 1、インディア(ディアンス)

あまりの超絶技巧に、お隣に座っていたギター弾き(のような)方が、終わったとたんにフッと感嘆の笑いを浮かべたほどだ。

そしてもう一回、アンコールは「カヴァティナ」、ディアハンターで使われていた曲。

演奏の前に、「実は明日が誕生日で、今日この曲が、24歳最後の演奏になります。」と話されたので、会場が拍手に包まれた。

カヴァティナが静かに始まる。凝視していたら、彼はカラーでしっかり見えているのに、暗いはずの周りが白く見えてきた。まるでネガポジが反転したように見えるのだ。このまま見たらオーラとか見えるんじゃないか…なんて余計な事は考えないようにして(笑)一音一音に集中して聴き入った。すると、こんどは雑音が全くしない空間(時間)がやってきた。まるで真空状態になったように呼吸のかすかな音も無くなったのだ。客席の空気が無くなったら、みんな死んじゃうし、第一、音というものは空気を伝わって響いてくるものなのだから、真空はありえないんだけれど、聴衆、奏者全員がギターの音色に集中したらこうなるものなのだろうか。24歳最後の演奏曲。一音入魂。そんな思いを全ての人が共有したようだった。

本当に素晴らしいリサイタルだった!ありがとう~。感動を胸に会場を後にした。

帰り道、実家の前で小さな平家蛍を一匹見つけた。今年は蛍を見逃した(夢の中で5cmくらいの大きなのが3匹出てきたけど)と思っていたので、ほんとにラッキーだった。

Image1921 翌日、台風接近の中、弟は村治さん家族を安曇野にご案内した後、奏一さんや、今回の企画に加わってくれた友人、甥っ子、ランス(犬)と大町に泊まるそうだ。甥っ子(小三)はギターを彼の前で弾くのかな?   

また奏一さんはギターを弾いてくれるのかな? いいなあ~~~!!

いまだに、あのカヴァティナの音が、耳を離れません。

Image1931 そういえば、翌朝、男性から実家に電話がかかってきて「あまりにすばらしかったので、一言お礼を」という内容だった。すぐに母から弟へ連絡して、村治さんに伝えてもらった。

弟は、自分が主催しての演奏会は一生に一度だけかもしれないと言っていたけれど、大変でもまたやって欲しいなと思う。いや、次はもっと大きなところが主催してくれるかもしれない。。。ともかくまた聴きたいなあ♪

PS:その後、弟に聞いてみたら、甥っ子はギターを持って行かなかったらしい。(笑)

奏一さんは、弾いてくれたの?の問いには、いつものように練習で弾いていたよという答えだったが、練習でもいいから聴きたいヮ~!!

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2007年4月12日 (木)

女もシビレる「The man I love」

数日前、八王子で用事があり、早めに着いてスタバでコーヒーを飲んでいた。

朝の雑踏を見渡す窓際でボーっとしながら。

BGMのジャズが流れる中で想いにひたっていた。

ふと聞いたことのある曲が流れて来た。

「The man I love」

女性ボーカルのハスキーで甘く、切なく、愛しさのあふれる声にググッと惹きつけられた。

まるで海のようだ…。

遠いさざなみが大きなうねりとなって打ち寄せて、私の心まで巻き込んでいく。

一曲すごい集中力で聴き入った。終わるとものすごく満たされるものが残った。

いったい誰の声なんだろう…。今まで何度かこの歌を聴くことはあったけれどここまでエモーショナルな声は初めてだった。

その余韻に浸りながら店を後にして打ち合わせに向かった。

朝のCDがどれなのかを確かめたくて昼頃またスタバに寄り、飾ってある数枚を見てみたが、女性ボーカルがビリーホリデイしかない。裏を見てもなんだか曲名が違うし…。

その場では買わずに駅に着くと構内でビリーホリデイのCDがあり、あの曲名も入っているし値段も手ごろなので買って帰った。

しかし家で聴いてみるとどうもアレンジが全く違うし…。

ネットでスタバを調べてみたら、銀座のマロニエ通りにスタバの1号店?があり、2Fに試聴できるコーナーがあるとのこと。

ちょうど銀座に友人の版画展を見にいくのでスタバも目指すことにした。

松屋の裏あたり…でしばらく迷ってしまったが、ようやくたどり着き、試聴席が一つだけ空いていたので安堵しながらセットされている機械でCD捜査を始めた。

目の前の棚に、何枚もサンプルのCDジャケットが置いてあった。

女性ボーカルのジャズっぽいのは前出のビリーホリデイとあと一枚。

機械に入っているCDがどれなのかなにも書かれていないので、仕方なく歌詞の様子から曲名を想像し、つぎつぎと飛ばしていく。

もしかして…これだ~♪♪あった~。

私の恋したボーカリストは 「Ella Fitzgerald(エラ フィッツジェラルド)」であった。

これ、八王子のスタバには無かったものだ。

レジに行き、このCDを買いたいというと在庫をひっくり返して探してくれたけれど見つからず…。みゆき通りの店舗まで行って見てくれたけれどそこにもない。

在庫がないのに、サンプルを出しておいて申し訳ありませんと謝られた。

他のスタバも調べてくれるけれど、もしこのサンプルでよければ販売できるということなので、新品でなくてもいいやと思ってお願いした。

定価の2000円から値引きは無かったけれど、なんとかゲットしたのですぐにこれを聞けるのだという満足感が大きい。

多分、もうあまり品数のないCDかと思う。

Image0121 コレ! 昨夜からもう何回聴いたことか…。

私もこんな風に歌えるようにマスターしたい…ものだ♪

私がシビレる彼女の歌声を、男性が聴いたらどんなふうに感じるのか。

とっても気になる。。。!!

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2007年4月 3日 (火)

さわやか夏の信州に響くギターの音色。

時々ブログに登場する弟に関する話題をまた一つ。

今年の夏、7月13日(金)19時から

信州、松本でクラシックギター奏者、村治奏一さんのコンサートが開かれます。

正月に帰ったときに弟の工房が主催と知り、かなりびっくりしました。

村治さんは、お父さん、お姉さん(佳織さん)とギター奏者の一家に育ち、今は単身ニューヨークにお住まいのようです。

7月の松本は、まだ暑すぎずさわやかな気候ですし、(異常気象で予想外かもしれないけれど)松本、安曇野には、クラシックギターの響きが似合う気がします。

早めに夏休みがとれるのでしたら是非、東京からでも聴きに行かれてみては?

かなり、癒されるのではないでしょうか? 温泉もあるしね♪

自転車の輪行もよいと思いますよ!

「さわやか信州」 「のんびりいこう信濃路を」

ひさしぶりにこのキャッチコピーが甦ってきた。(笑)

姉としても、絶対行きたいところなんだけど、ベトナム行きの仕事次第なんだ。。。(vv;)

弟のHPを載せてみます。ギターの製作過程や読み物もあり…面白いかも?

どうか見てやって下さい。(ぺこっ)

http://www008.upp.so-net.ne.jp/Jun-Nakano/

弟と話をしたとき、mixiへ入りたいと言っていたので、招待してみました。

弟のプロフィールを見ると、なんだか不思議な気がしますね。

客観的に家族を見るということがほとんど無かったから…。

弟にとってのヒーローが、「パンターニと寺山」と書いてあった。ありゃりゃ…。

ランス・アームストロングだとばかり思っていたけど、パンターニだったのかぁ!?

そして多分、寺山というのは、寺山修二のことなんだろうな。。これは20代から変わってないな~(笑)

多分、弟も私のプロフィールなんぞ見たら不思議な気分になるんだろうな。

5月の連休あたり、帰省したら自転車(実家にあまっているロードレーサー)に乗らせてくれるか聞いたら、ウェアとか持ってきてくれとのこと。「輪行してきてもいいし。でも走ってくるのはお薦めしないよ。トンネルが危ないからねえ」

はいはい。お言葉に甘えつつ、検討しよう~♪

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